知っておきたい馬術用語<レッスン編>

乗馬のレッスンでよく使われる用語について紹介します。
今回紹介するレッスンで使われる号令は、馬との円滑なコミュニケーションと騎乗の安全性を確保するために大切なキーワードをピックアップしました。ぜひ覚えてほしい基礎的な用語です。
乗馬の用語は初めての方にとっては馴染みがないかもしれませんが、乗馬を楽しみながら安全に行うためにも、適切な知識と理解が重要です。

基礎編 レッスン中の用語

馬場の名称

埒|らち

馬場の周囲の柵のこと

蹄跡|ていせき

馬場柵の内側に沿った線のこと

隅角|ぐうかく

馬場のコーナーのこと

馬への合図

扶助|ふじょ

騎手から馬への“意思伝達の手段”のこと
➀主扶助|拳、騎座、脚を使う扶助 ②服扶助|拍車、鞭、舌鼓(ぜっこ)などを使う扶助がある
※舌鼓・・・舌を鳴らすことで、馬に注意を促す行為

騎座|きざ

鞍と接点となる太ももからお尻を指す
拳や脚と適切に組み合わせることで、停止や発進、減速や方向変換などを馬に伝える

愛撫|あいぶ

馬の首や腰を軽く叩き、馬を褒めたり、労うこと

ハミ受け

乗り手が馬とのコミュニケーションを取り、馬の制御と指導を行うための重要な役割を担う。馬と乗り手の間で信頼と調和を築くことができる

半減脚|はんげんきゃく

馬に次の運動を要求する前に、前もって要求のあることを知らせる扶助のこと
騎手が馬に速度を落とすような歩度変換を指示して、馬が速歩や常歩などの歩法に変えようとする直前に、またもとの歩法に戻るように扶助するといったもの

歩法・姿勢

移行|いこう

常歩、速歩、駈歩といった歩法を、ある歩法から別の歩法に変換することをいう
歩度変換ともいう

内方姿勢|ないほうしせい

馬体を湾曲させ、馬の頭からお尻までが輪線に沿うような体勢をとらせること
内方脚(内側の脚)を使って馬を押し出し、外方拳(外側の拳)と後ろに引いた外方脚(外側の脚)で抑えることで、馬は馬体を湾曲させる
この時、内側の脚は通常より15cmほど前に出し、6対4程度の割合いで内側に体重をかける

屈とう|くっとう

馬の頸を弓なりに湾曲させたり、輪乗りの円に沿って全身を湾曲させた状態をいう

歩度を伸ばす、つめる

伸ばす・・・リズムを一定に保ちながら、全身を使ってのびのびと歩かせ、馬が歩く速さやステップの長さを増やすこと
つめる・・・リズムを一定に保ちながら、馬をゆったりと歩かせ、馬が歩く速さやステップの長さを縮めること

部班・各個|ぶはん・かっこ

部班・・・複数の馬が列になり、グループで運動すること
各個・・・個別で運動すること

レッスンで使われる号令

整列・順次・各個に

整列・・・馬場の中で列をつくって並ぶこと
順次・・・先頭に従い、前の馬が通った後を通って同じ運動をすること
各個に・・・先頭に従うのではなく、各自その場で指示された運動をすること

輪乗り

直径20mの円を描いて進む運動のこと

輪乗りの手前変え

同一の輪乗りの円の中で、手前を変えること

輪乗りを変え

輪乗りから、他の輪乗りへ移り、手前を変えること

斜めに手前を変え

馬場の隅角を6m過ぎた地点から、対角にある隅角の6m手前の地点に向かって進み、進行方向を変えること

巻乗り

直径10m以内の円を描くこと

半巻

直径10m以内の円を描き、回転を開始した地点から、半径の3倍(15m以内)の地点に向かって進むことで、進行方向を変わること

三湾曲蛇乗り

半輪乗りが3つで構成された動きのこと

8の字

蹄跡から直径6mの円2つを8の字に乗り、蹄跡に戻る運動のこと

今回ご紹介したのは、乗馬に関する一部の用語にすぎません。乗馬を安全に楽しむためには、指導者からの指示を正しく理解し、馬との信頼関係をより深めながら、心地よい乗馬体験を実現することが重要です。安全かつ充実した乗馬体験を楽しんでいただけることを心から願っています。